VRMとは|3Dアバター規格の仕組みと使い道
VRMとは、人型の3Dアバターをアプリやサービスをまたいで使い回せるようにした共通のファイル形式です。
VRChatやcluster、バーチャルマーケットなど、複数のメタバースで同じ姿のまま参加したいときに使われます。
この記事ではVRMの仕組みと成り立ち、対応プラットフォームの違い、メリット・注意点までまとめます。
この記事でわかること
- VRMが「共通規格」と呼ばれる理由と、対になるアプリ側の事情
- VRMコンソーシアムとVRM1.0までの成り立ち
- VRChat・cluster・バーチャルマーケットなど対応プラットフォームの違い
- VRMを使うメリットと、そのまま持ち込めない場合の注意点
VRMとは何か
3Dアバターのデータは、本来はソフトごとにボーンの入れ方や表情の作り方がばらばらです。
あるソフトで作ったアバターを別のサービスにそのまま持っていくと、腕が曲がらない、表情が動かないといった不具合が起きがちでした。
VRMは、この人型モデルの扱い方を一つの形式に揃えることで、どのサービスでも同じように読み込めるようにした拡張子.vrmのファイル形式です。
- ボーンや表情がソフトごとにばらばら
- 持ち込むと腕が曲がらない、表情が動かない
- 人型モデルの扱い方を1つの形式に
- どのサービスでも同じように読み込める
なぜ「共通規格」が必要なのか
メタバースは一つの会社が作る単一のサービスではなく、VRChat・cluster・バーチャルマーケットのように運営元の異なる複数のサービスが並び立っています。
読者がこの姿で今日はcluster、明日はVRChatのイベントに出たいと思ったとき、サービスごとにアバターを作り直すのは大きな負担です。
VRMはこの負担を解消するために、3Dグラフィックスの国際的な標準規格であるglTFをベースに、人型アバターに必要な情報(ボーンの構造、表情、視線の動きなど)を追加で定義する形で作られています。
VRMコンソーシアムとVRMの成り立ち
VRMは2018年にドワンゴが発表した後、2019年4月にドワンゴ・NTTドコモ・クラスター・HIKKY・Unity Technologies Japanなどが参加するVRMコンソーシアムが設立され、普及と規格の策定を引き継ぎました。
cluster運営元も設立メンバーに名を連ねており、この点はcluster×稼ぐを軸にする本サイトの読者にも縁の深い経緯です。
その後2022年9月に、仕様を整理し直した「VRM1.0」が正式版としてリリースされています。
現時点ではVRMコンソーシアムとglTFの開発元であるKhronos Groupが連携し、VRMの機能をglTFの公式拡張として国際標準化する調整が進められています。
VRMが使えるプラットフォーム
VRM対応をうたうサービスでも、実際に受け付けてもらえる条件は少しずつ違います。
乗り換える前に、行き先のサービスの上限を確認しておくと安心です。
| サービス | VRMの位置づけ |
|---|---|
| cluster | Webからアップロードして自分のアバターに設定できる。ポリゴン数やファイルサイズの上限がある |
| VRChat | VRM由来のモデルを取り込めるが、実際のアップロードにはUnityでの追加作業が必要 |
| バーチャルマーケット | 出展・来場の双方でVRMアバターの利用が前提になっているイベント |
| VRoid Studio | アバターを作ってVRM形式で書き出すための制作ソフト。ここが入口になることが多い |
同じVRMでも、サービスごとにポリゴン数やテクスチャの上限は異なります。
clusterでオリジナルアバターを使う方法では、実際にアップロードが弾かれる条件と直し方を具体的にまとめているので、cluster向けに調整するときはあわせて確認してください。
この記事に出てきたもの
VRMを使うメリットと注意点
- 1体を複数サービスで使い回せる
- 行き来のたびに作り直さなくていい
- 制作者は販売先が広がる
- ポリゴン数やサイズの上限はサービスごと
- 規約で改変や持ち込みが禁止のことも
メリット
いちばん大きいのは、一度作ったアバターを複数のサービスで使い回せることです。
VRChatとは?できること・始め方・clusterとの違いのようにサービスごとに特色は違っても、VRMという共通の入口があることで、行き来のたびにアバターを作り直す必要がなくなります。
制作者側から見ても、VRM形式で一つ作品を作れば、cluster・VRChatなど複数のサービスの利用者に向けて販売できる可能性が広がります。
注意点
VRM対応と書かれていても、そのまま無条件で通るわけではありません。
サービスごとにポリゴン数やファイルサイズの上限が違うため、あるサービスで問題なく使えていたアバターが、別のサービスではアップロードを弾かれることがあります。
また、購入したVRMアバターには利用規約が個別に設定されていることが多く、改変や再配布、他サービスへの持ち込みが禁止されている場合もあります。
使う前に配布元の規約を確認する一手間が欠かせません。
VRMアバターの入手方法・作り方
これからVRMアバターを持ちたい場合は、次の観点で選ぶと迷いにくいです。
- 手軽さを優先するなら:VRMアバターストアやBOOTHなどで完成品を購入する。3Dの知識がなくてもすぐ使い始められる
- 自分だけの見た目にしたいなら:VRoid Studioで髪型や顔のパーツを選んで組み立てる。無料で使え、VRM形式での書き出しまでソフト内で完結する
- 造形から自由に作りたいなら:BlenderやUnityでモデリングする。自由度は高いが、ボーンの設定などVRMの仕様を理解する手間がかかる
初めての一体は購入かVRoid Studioから入り、仕組みがつかめてから作り込みに進む流れがつまずきにくいです。
clusterの使い方完全ガイドでは、アプリの導入からイベント参加までの流れをまとめているので、VRMアバターを用意したあとの行き先としても参考になります。
よくある質問
Q. VRMとVRChat用のアバター(.vrcaなど)は同じものですか
違います。
VRMはサービスをまたいで使うことを前提にした共通形式で、VRChat独自の仕組みとは別物です。
VRChatにVRM由来のモデルを持ち込む場合は、Unity上でVRChat向けの設定を追加する作業が必要になります。
Q. VRMファイルは無料で手に入りますか
無料で配布されているモデルもありますが、多くは有料です。
VRoid Studioを使えば、自分でパーツを組み合わせて無料でVRMアバターを作ることもできます。
Q. VRMアバターがあれば、どのメタバースでも同じ姿になれますか
基本的な考え方としてはその通りですが、サービスごとのポリゴン数やファイルサイズの上限に収まっている必要があります。
作り込みすぎたアバターは、一部のサービスでアップロードが弾かれることがあります。
まとめ
VRMは、人型の3Dアバターを複数のメタバースで使い回せるようにする共通のファイル形式です。
VRMコンソーシアムのもとで規格が整理され、VRChat・cluster・バーチャルマーケットなど主要なサービスが対応しています。
ただしサービスごとの上限や利用規約は個別に確認が必要です。
まずはVRoid Studioや購入で一体VRMアバターを持ってみて、行きたいサービスの条件に合わせて調整していくのが現実的な始め方です。
